設立趣意書

NPO法人プログラミング教育研究所 設立趣旨書

近年のグローバル化や急速な情報化の進展により、私たちを取り巻く環境が大きく変化しており、中でもインターネットに代表される情報通信技術が日常生活を一変させています。すべての人が、自らの可能性を最大限に発揮し、よりより社会と幸福な人生を自ら作り出していくために、情報通信技術を受け身で捉えるのではなく、手段として積極的に活用していく力の獲得、すなわちプログラミング教育やコンピュータサイエンスの重要性はますます高まっています。

このような中、学校教育の中にプログラミング教育を取り入れると言う試みもすでに始まっていますが、その具体的な教育内容は検討が始まった段階であり、多くの学生、市民が、プログラミング教育やコンピュータサイエンスに触れる機会は大変限られています。

私たちは、プログラミング教育が単なる職業訓練ではなく、論理的思考力や創造性、問題解決能力等の向上を図るものであり、また社会で活躍するすべての人に求められる基礎的な力でもあること、そして未来を担う、すべての子供たちにプログラミング教育を受ける権利があるとの確信のもと、プログラミング教育を研究し、子どもたちに実際に学習の機会を提供していく事業を通して、プログラミング教育の普及とあるべき姿を提言していくことを決意しました。

ソフトウェア、プログラミング業界では、お互いの知識やプログラミング成果を非営利で公開するオープンソース等の公益に利する取り組みが広くおこなわれています。アメリカの非営利団体code.orgは、子供向け教育カリキュラムや教育用ソフトウェアを全世界の非営利組織に無償で公開しています。これらの取り組みと協力し、また多くの子どもたちと市民から信頼を得て活動する組織となるべく、非営利での活動を明確にしたNPO法人の設立こそが、求められているものと確信します。

プログラミング教育の普及の一翼を担う事で、健全な情報化社会の発展と公益に寄与していくため、皆さまのご理解とご支援をお願いします。

平成28年11月1日
設立代表者 伊藤 功一